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「遊び=学び」大人の関わりで変わる遊びの効果



乳幼児期は「学び=勉強」ではない!?

皆さんは「乳幼児期の学び」と聞くと、どんなことを想像しますか?

文字の読み書きや、簡単な計算といったいわゆる「勉強」を思い浮かべる方も少なくないのではないでしょうか。これらは先取り学習と呼ばれ、力を入れている親御さんもいると思います。もちろん、それらは間違いではありません。読み書きや計算ができると、小学校に入学した時に授業にスムーズについていくことができますし、テストでも高得点をとることができるでしょう。入学後の学習面でのつまずきがなく、安心ですね。

 

しかし、その効果は1~3年以内になくなってしまうことをご存じでしょうか。なんと、その後のテストでは、乳幼児期に遊びに力を入れていた子どものほうが好成績をおさめているという研究結果があるのです。(※出典1)

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?最近では「遊び=学び」とまでいわれているその理由についてお話ししてみようと思います。



遊びは学びの宝庫!得られる能力やスキルとは?

 

乳幼児期は脳の基礎体力を育むのに最適な時期であり、それには読み書き等の学習よりも遊びのほうが有効です。子どもの脳は遊びながら成長していくものであり、五感を使ってさまざまな刺激を受け取ります。また、紬木保育園で以前から重視している非認知能力の育成にも遊びは欠かせないものです。

 

遊びは、主体性や探究心、忍耐力、社会的スキル、他者への思いやりなど、たくさんの能力やスキル(非認知能力)を育んでくれます。折り紙や工作のような遊びではクリエイティビティ―が育ち、ブロック遊びでは立体的に考える力や集中力が身につくといわれます。

これらの力は、先行きが不透明で不安定なこれからの時代だからこそ必要とされる力です。その中でも、社会的スキルは自分以外のお友達と一緒に遊んだり、時にはケンカをしたりしながら身につけていくものとされています。そして、よく遊ぶ子ほど語彙力の伸びも大きいといわれています。(※出典1)



「遊び=学び」には大人の関わりが不可欠

 

例えば、玩具や道具が揃った環境に子どもだけを入れるとします。すると、子どもは思い思いに好きな遊びを始めます。しかし、そこでは自分の知っている遊びしかできず、その繰り返しが続くと、やがて飽きてきてしまいます。これでは十分な学びを得ることはできません。

 

そこで必要になるのが、周囲の大人の声かけなどの関わりです。子どもの遊びは、展開していくと(遊び込んでいくと)さまざまな学びをもたらしてくれますが、その遊びの展開は乳幼児期の子どもだけでできるものではありません。

興味を持つものは、色、形、音、感触、文字、数…と子どもによってさまざまです。まさに十人十色。そこにそれぞれの伸びしろがあります。その伸びしろに気付き、選択肢を増やし、能力を社会の中で実現させるためには、大人による教育が不可欠なのです。(※出典2)

 

しかし、ただやみくもに声かけをすればよい訳ではありません。遊びを展開させて学びを活かすためには、適した環境設定とねらいを持った言葉かけが重要です。そのためには大人(保育者)の高い専門性が必要です。

 

紬木保育園では、大学リカレントコースの受講、乳幼児教育研究事業や研修への参加を通じて、職員の専門性を高めるよう学びに励んでいます。そして、遊びの中で生まれた展開のきっかけを見逃さず、それぞれの子どもに合ったアプローチで育ちにつなげていくよう努めています。



書籍紹介


誰もが優秀児になれる!

CRAYONプロジェクトの実証

遊びについてや、紬木保育園の取り組みも掲載されています。

保護者の方、保育者の方、子どもに関わるすべての方に是非読んでいただきたい1冊です!


 

 

【出典】

1:中内玲子(2020年)『シリコンバレー式 世界一の子育て』フローラル出版

2:韓昌完(2023年)『誰もが優秀児になれる!CRAYONプロジェクトの実証』さくら舎


 

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